岸部露伴スピンアウト作品のまとめと総評

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ジョジョ第4部に出てくる漫画家 岸部露伴は、作者である荒木先生の「漫画家としての理想の姿」として描かれています。
それだけに気にいっているキャラだけあり、スピンアウトも数多く出ています。

そんな岸部露伴のスピンアウト作品がかなり溜まってきたので一度、まとめと総評をしてみたいと思います。

岸部露伴のスタンド「ヘブンズ・ドア」

岸部露伴のスタンド「ヘブンズ・ドア」は対象者を本にし、情報を読んだり、命令を書き込んだりできます。
実戦的な能力じゃないですが、防御・防衛には超応用の利く能力です。故に、こういったスピンアウトのストリーテラーにピッタリなのです。

岸辺露伴は動かない ~エピソード16:懺悔室~

評価:★★★★★

イタリアへ取材旅行に出かけた岸辺露伴は教会の懺悔室に入ったら、神父と間違われ、悪霊に取り憑かれた男の人生を聞くことになる。

最初のスピンアウトです。当初、『ジョジョのキャラのスピンアウトはなしで短編を』という話を余裕で覆してしまった事に。
でもここから岸部露伴シリーズは始まります。

最初なので露伴先生はスタンドも使わず、聞き側に徹します。タイトルの通り、懺悔に来た男の話です。
内容は面白くテンポも良い。ジョジョでよく用いられる『身近な恐怖・奇妙さ』が表現されています。
「荒木先生はこんな短編でもスリリングな作品が描けるんだ」と感動しました。内容は単純、というかどうってことない内容でもハラハラさせる展開を描く事に長けてると思います。

死刑執行中 脱獄進行中という短編集にて読めます。他短編もすごく面白いのでおすすめ。
単行本『岸辺露伴は動かない』にも収録されています。

岸辺露伴は動かない ~エピソード2:六壁坂~

評価:★★★★☆

「妖怪伝説」の取材を行おうとしていた山がリゾート開発されそうになった為、露伴は周囲の山を6つ買ってこれを阻止した。
しかし、地価の暴落に遭って破産し、画集以外の財産全てを失ってしまう。取材自体は成功し、妖怪六壁坂の正体を突き止めた。

取材の為に山を買い、その挙句破産する露伴先生。打ち合わせに来た漫画の編集者もドン引きです。
しかし、彼が求めるのは『リアリティ』です。妖怪の正体を突き詰められた体験があるので満足しています。そして本題の取材内容に…

実際、六壁坂には妖怪がいました。妖怪なのかスタンド能力が独り歩きしているものなのか、それは謎ですが、その生き物? は今でも六壁坂にいるのです…

岸辺露伴は動かない ~エピソード5:富豪村~

評価:★★★★☆

『25歳の時にこの別荘地を購入すると、成功を収めて大富豪になっていく』。
そんな別荘地を買うための取材に同行しないかと漫画編集者の泉京香に提案され、富豪村への取材(土地購入)へ同行する露伴。
そこは『マナー』を厳守する村だった。マナー違反をすると…

六壁坂よりシンプルな富豪村の話は題材はとても面白いんですが、ちょっと薄味な印象。
後書きによると、荒木先生はこの短編に出てきた漫画編集者の泉京香を「ムカつきながら描いた」としているが、キャラとしては大好きで傑作の出来と自負しているようです。

岸辺露伴は動かない ~エピソード6:密漁海岸~

評価:★★★☆☆

イタリアンレストラン「トラサルディー」で食事をした際、その店の料理人トニオ・トラサルディーにクロアワビの入手を手伝ってほしいと頼まれる露伴。
貴重であるため地元漁師からもアワビは売ってもらえず、それでも入手したいトニオは密漁を共に実行しようと持ちかける。
露伴は好奇心からそれを了承し、トニオとヒョウガラ列岩へと向かう。

ジョジョ4部で人気のイタリア料理人「トニオさん」が登場した回。
話の核はトニオさんが何故、そこまでしてクロアワビを欲しがるのか?という点です。
個人的にはトニオさんが出てきただけで嬉しいですね。ちょっとだけど億康、康一君、仗助(後ろ姿のみ)も出ます。
思っていたよりトニオさんと露伴が意気投合してるのが微笑ましい。

岸辺露伴 グッチへ行く

評価:★★☆☆☆

イタリアのフィレンツェにあるグッチの工房を訪れる露伴。
『金目の物を入れると消えてしまう』祖母の形見のバッグの奇妙な現象を直してもらう為だ。
グッチの職人は難色を示すが修理を引き受け、露伴は修理されたバッグを持って帰るが、後になってそのバッグに隠された秘密を知ることになる。

『SPUR』の別冊付録として掲載されたフルカラー作品。SPURにジョジョが載っているというシュールさを味わえた。
グッチの工房を訪れるという話でしたが、普通に終わらないのが荒木作品。さくっと5分で読めます。
露伴先生が履いていたグッチのスニーカーがカッコよかったですね。8万もするけど…

上4つは『岸辺露伴は動かない』に全て収録されています。全力でオススメします。

岸辺露伴 ルーヴルへ行く

評価:★★★★★

デビュー前の露伴は、新人コンテスト用の漫画を書くため、祖母の経営するアパートに夏の間厄介になる。
そこでアパートに入居した女性、藤倉奈々瀬と一つ屋根の下で暮らす事になり、奈々瀬の故郷の地主の家からルーヴル美術館へと買い取られていったこの世で最も黒く、邪悪な絵の話を聞かされる。
その後奈々瀬は失踪し、露伴もデビューが決まって仕事に夢中となり、10年もの間その絵の事を忘れていたが、仗助らとの世間話をきっかけにその事を思い出し、その絵に対する好奇心と青春の慕情から、その絵を見るためにルーヴル美術館を訪れる。

123ページのフルカラー作品、表紙もキレイでこれを持たずに露伴ファンは名乗れない。
特筆すべきは『若き日の露伴が見れる』事。ほとんど見た目は変わりませんが、藤倉奈々瀬とのプチロマンスなど露伴先生も悩める青少年だったんだなぁという一面が見れる。
ルーヴル美術館の案内も取材しただけあって非常に濃厚。人生で一度はルーヴルに行ってみたくなる作品です。

ちょっと高いですが、画集と思えば適正価格。
フルカラーで色彩が綺麗なので是非飾って欲しい一品