映画「疾風スプリンター」はロードレース好きにも興味ない人にも勧められる

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昨年末から期待を込めてサイクルロードレースファンが待っていた映画『疾風スプリンター』を観てきました。
自転車映画には外れが多い印象なんですが、これは非常に良かったです。
※ネタバレ記事です、ご了承ください。

正直、期待してませんでした。
最初はそんなに期待してなかったのですよ、、120分の限られた時間ではロードレースの熱さや紳士協定、駆け引きといった面白い部分は伝わらないのではという疑問がありました。
予告を見る限り、ヒロインの奪い合いもあったりして、レースはおまけだったりして・・・なんて不安もありました。

不安は杞憂に終わった。
レースの熱さ、人間関係、紳士協定、チーム・スポンサーの関係などサイクルロードレース界のあるあるをこれでもか、というくらいに詰め込んできます。
ナレーションや役者さんのセリフでやや説明口調な所はありますが、ロードレースを知らない一見さんが「?」にならぬよう、配慮されてます。

では、あらすじを交えて感想を。

本作の主人公は2人います。(本当は3人らしいけど)
cast_pt_1主人公① チウ・ミンはバリバリ成長株なチームのスプリンター。
性格もさっぱりしていて男らしい。悪く言えば破天荒でやんちゃ過ぎる。

cast_pt_2主人公② ティエン。チウに比べると草食系。チウの対比として真面目。
スプリントはチウに劣るが、クライム寄りの力があり、パンチャータイプかな?

cast_pt_3あんま出てこないんだけど(3人目)、ジウォンはチームの絶対的エース。
上の2人より頭一つ抜けた実力を持つんだけど、チウの成長に恐れを抱くようになり・・

cast_pt_4で、ヒロインはシーヤオ。なんか中学の女子卓球部みたいな子だな。。というのが第一印象。
チウとティエンの激しい三角関係へ・・。

最初は主人公らはチーム「ラディアント」に所属。
チウとティエンの役割はアシスト。エースのジウォンを勝たせるための役割ですね。

ラディアントはアシストの活躍とジウォンの強さで勝利を重ねます。
チームで山岳の練習に出かけた際、2人は練習中のシーヤオに遭遇、肺の病気になりながら、健気に頑張る彼女に2人は目を奪われることに。。
2人はシーヤオに色々とアプローチ合戦を繰り広げる。
ティエンが食事に誘ったらチウが先回りしてるなど、お互いに譲らない勝負w

そんな折、チーム ラディアントは銀行からの融資が切れ、運営難に。。
チーム監督は3人それぞれに違うチームからのオファーを勧めます。
こうして3人は別のチームへ移籍することに。

なお、恋愛バトルはチウのロマンティックな演出や押しの強さで勝利w
女性はいつだって押しの強い男性に弱いのかな・・

別チームに移籍し、チウとジウォンは接戦を繰り広げます。
チウは我が強すぎるのか、アシストの実力不足をぶちまけ、マスコミのいい餌食に。
ダメ押しでジウォンがチウのアシストを買収。チウはアシストへ暴力を振るい、半年以上の出場停止に。

仕事(レース)の影響は私生活にも響き、シーヤオにも暴言を吐いてしまうチウ。
酒浸りになったところにダメ押しのハニートラップで、シーヤオとの関係もお通夜状態w

ティエンは兼ねてからの課題として、最大心拍数の増強をクリアすべく、薬に手を出してしまいます。
ロードレースを映画として扱う以上、薬の話題は避けられないのでしょう。
ティエンはドーピングパワーで勝利を重ねますが、それもバレて解雇に。

反省したチウは独りで練習を再開。またレースに戻ることを目指している矢先にシーヤオが事故にあう。
シーヤオはアキレス腱を切る大怪我に。選手生命が危うい状態。
チウは医師にコンタクトを取り、自分のアキレス腱を移植するよう説得します。

シーヤオはリハビリを始めます。歩くこともおぼつかず、自転車に乗れるのはいつになることやら・・
そんな折に、病院のリハビリルームで頑張るチウを発見します。
アキレス腱を差し出した事で、自分自身もリハビリを始めたチウ。チウの優しさに気づいたシーヤオは共にリハビリの日々へ。

この辺りは話として無理がある感じですが、この映画自体がかなり早足かつテンポがあるので
ツッコむ余地を与えないですねw

かつてのラディアントの監督が新チームを結成するべく、目を付けたのがチウとティエン。
チウは暴力沙汰、ティエンはドラッグとマスコミのいい餌食な2人をチームに呼ぼうとします。
チウはティエンが韓国の競輪場で走っていることを知り、説得に向かいます。

ティエンはギャンブルでの借金を返すため、ヤクザの指示のもと韓国で競輪をしてた模様。
ティエンはお坊ちゃん御曹司、という設定だったはずでは・・?w

チウとティエンの2人でマディソンを走り、勝利すればティエンを解放する、という条件にチウは了承。
落車トラブルを乗り越えて勝利します。

で、この映画は隙あらば自転車に乗っているシーンを撮ろう的な姿勢がすごいです。
ギャンブル借金⇒競輪選手、とかでなくただ田舎に隠居したとかでも良かったじゃない・・と思うのですが
とにかく迫力あるシーン(レース)をどんどん!という気概があるのが素敵です。

チウとティエンは新チームで砂漠地のレースへ臨みます。
最大のライバルはジウォン。ジウォンは2人が帰ってくると知り、カテゴリが自分より低いこのレースにわざわざエントリーしてきました。
目的はチウとの決着をつけるためです、代理人の説得を遮ってまで勝負に拘ってのエントリーです。

おまww散々、邪魔しといて今更勝負てww
という突っ込みは既に野暮です。砂漠地のレースは熱さと距離でリタイア者が続出。
最後のスプリント勝負は、チウ+ティエン vs ジウォンとアシストに。

ジウォンは当然、スプリント力のあるチウがティエンの発射台でスプリントすると警戒。
そしてチウが仕掛けます。
ジウォンはチウをマーク。ゴールまでの距離がまだ長い。チウが早まったと思い、ジウォンはラストスプリントへ。

ジウォンは咄嗟に気づきます、ティエンの存在です。
定石を覆す策略、チウはティエンのスプリントの発射台をしていたのです。
ティエンは最後の力でゴール。
自分が勝つことに拘ってたチウが、チームとして勝つことに切り替えをしていたのです。

それから数年、チウはワールドツアーチームへの切符を手にします。
所属するチームはなんと「Lampre – Merida」、憧れのルイ・コスタとの対面です。

さて見どころの一つはルイ・コスタの映画デビューw 最初で最後かもしれない。
ルイ・コスタのセリフは「Welcome to Lampre Merida」だけ。演技がぎこちないけどww

Lampreの選手としてスタートに立つチウ。見渡せば別チームのティエンが。
見知らぬジャージでしたが、プロコンチネンタルに所属でしょうか。
2人のレースはまだまだ続くようです・・

ロードレース好きなら楽しめるし、興味がなくてもレースシーンの迫力や
メロドラマを楽しめるかもしれません
※レースに興味のない妻が面白かった!と言ってました。

ロードレースあるあるな以下の点は盛り込まれてました。
・トレイン形成
・エシュロン形成
・紳士協定
・脚質
・アシストはエースのため、エースはアシストのため
・チームとスポンサー
・どこで仕掛けるか、のチームミーティング
・誰が仕掛けるか、のメンバー内闘争
・チーム運営難
・おしっこ休憩
・ライバルチームとのけん制(にしても仲が悪すぎるw
・買収/移籍
・ドラッグ/ドーピング
・落車/怪我
・自転車が壊れて担いでゴール
・練習終わって洗車(資金が豊かじゃないので自分でw
・ワールドチーム/カテゴリの違い
・ルイコスタw
・ランプレw

いつまでやっているか不安なので気になる方は是非。